労働基準法は労働者のための法律ではなく、経営者のための法律です。
労働基準法は労働者のための法律ではなく、経営者のための法律です。
これを言うと、社労士でない人はたいてい
何言ってんだこいつ?( •᷄ὤ•᷅)
という顔になります。
しかし、そうなんです。
労働基準法は、
労働者のための法律ではなく
経営者のための法律なんです!!
社労士の勉強をしたことがある人なら誰でも知っているし、ほとんど私の中で常識になっているので普段は忘れているんですが、ときどき普通の人(社労士でない人)とお話しすると、「あ、しまった。これって普通の人には常識じゃなかったんだ・・・」と気が付きます。
実は、労基法って、労働条件の最下限を定めたものなんです。
いいですか?
最低限ギリギリを定めてあるだけなんですよ?ここ重要。
この最低限ギリギリをちょっとでも下回ったら、強行法規ですので即違法となります。
例えば、著作権法違反はすぐには違法とはなりませんよね。あれは親告罪ですから。
権利者に訴えられて、判決があって初めて罪が成立します。
ところが労基法は強行法規といって、違反したら即違法です。
誰かの訴えを必要としません。
一番重い罰則で「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」があります(強制労働)。
「うちは労基法を守っている(΄◉◞౪◟◉`)」と自慢げに言う社長がたまにいるんですが、
それって、最低限度の当たり前のことを守っているという意味ですから、あまり得意げには言わない方がいいです。
恥ずかしそうに、すまなさそうに、
うちは、労基法を守るのが精いっぱいなんです・・・( >˘_˘< )
とおっしゃるのが、文脈的に正しいように思います。
さて、少し解説しておきます。
もともと、労働者と使用者は対等です。
役務契約によって契約しているだけの関係です。
労働者は役務を提供し、
使用者はそれに対して賃金を支払い、
どっちが偉いとか、どっちが上とか
そういう関係は本来は存在しません。
ところが実際には、上下関係はありますね。
厳然としてありますね。
なぜか、お金を払う方がやたらめったら態度がでかいですよね。
労働者の方は対価に見合った労働を提供しているはずなのに、なぜか下に見られます。
労働者側もなぜか堂々とせず、へりくだる人が多い気がします。
現実に、労働者が搾取される歴史がありました。
そこで労働基準法は次のような手を打ちました。
労働者の地位を向上させるために、使用者側にあれこれおもりをつけたのです。
それが罰則です。
このおもりによって、使用者の地位は労働者の位置まで下がり、両者は対等な関係となる訳です。
つまり、労働基準法の罰則は、使用者を罰するためにあります。
その結果、労働者の地位が向上することがあるかもしれませんが、本質的には労基法は使用者に足かせをつけるためのものなんです。
という訳で、私は声を大にして言いたいのです。
労基法を守っていれば経営者は罰せられません。
労基法というのは労働者を守る法律ではなく、経営者を守る法律なんです、と。
経営者の方には、どうか労基法をはじめ、法律を守るようお願いします。それがあなたと会社を守ります。