がんばれ!店員さん(とお店)
草津に行く途中にあるパスタ屋さんで働く店員さんを、数年前から勝手に応援しています。
最初はぎこちなかった
彼女は(多分ですが)先天性の障害のある方です。詳しくは知りません。
数年前からそのお店で働き始めました。
私はそのお店を草津に行く途中寄ることがありまして、なかなかおいしいパスタを良心的な値段で提供するので気に入っています。
あるとき立ち寄ったら、とてもぎこちない接客の店員さんがいるので、ちょっとびっくりしました。
そういう障害のある方がお店のホール係をやるというのが珍しかったからです。
緊張しているのがこちらにも伝わってきました。大丈夫かな?続くかな?とハラハラしました。
社労士として、障害者雇用が難しいことを知っています。さまざまな(悲惨な)職場を見てきました。
障害者を雇用しないといけないから仕方なく雇って、働いてもらう場がないからトイレ掃除をあてがったなんていう会社も見てきました。
そんな障害者雇用の現実の中、パスタ屋さんのホール係なんて花形を任せられる彼女は希望の星だと思いました。
うまくいってほしいと切に願いました。
1年後
1年後にまた立ち寄ったとき、見違えるように自然な接客をする彼女が働いてました。
嬉しかったです。
「よかった、定着したんだ!」とホッとしました^^
障害の特性でしょうか、ときおり彼女は客に対してとんちんかんな発言をすることがあるのですが、「そういう個性の人もいるよね」ぐらいに思っていました。
それよりも、むしろ見事に仕事が続いたこと、お店が彼女を雇い続けてくれたことが嬉しく、誇らしかったです(別に私の手柄ではないのですが^^;)
withコロナ
コロナが蔓延してしばらく経ってからまたそのパスタ屋さんに行きました。
彼女はまだ働いていました!
よかったーーーと思いました。
ところが、このとき彼女がだいぶピリピリしていました。
消毒すること、食事中以外はマスクをすることに、とても気を配りすぎて、お客に対してお節介すぎるほどでした。
これは、ちょっとまずいな・・・・と心配していたら、案の定Webにひどい口コミがたくさんアップされていました。
悲しかったです。
コロナさえなければ、彼女だってあそこまでピリピリした感じにはならなかっただろうし、お客さんたちもコロナの前はもっと寛容でした。
ところが、コロナが蔓延してから、誰もかれもソーシャルディスタンスを求められ、そのせいか心の距離まで離れてしまったようでした。
さらに1年後(現在)
それからさらに1年経って、現在、久しぶりにまたお店に行ってみたら、彼女は元気に働いていました!
よかった!
ますますスムーズで自然な接客になっていました。最初のあのぎこちなかったときとは雲泥の差です。
コロナ真っ最中のときほど消毒やマスクに過敏になってもいませんでした。
そして、お店に貼り紙がしてありました。
当店には障がいのある従業員も働いております。お客様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどお願いいたします
念のため、Webもチェックしたら、一時あったひどい口コミがすべてなくなっていました。おそらく店側が削除を要請したのでしょう。
お店が店員さんを守る努力をしてくれたんだと知って、嬉しかったです。
一方で、共生とは、SDGsとはと考えさせられました。
本当は、お店も貼り紙なんてしたくなかったのではないかなと思いました。
私も、貼り紙なんてしなくてよいのにと思いました。「迷惑」なんて言葉を書かなくてよいのにと思いました。迷惑ではないです。その言葉が彼女の尊厳を傷つけていないか、心配です。
しかし、あの貼り紙をしないと、お店は店員さんをひどい悪口から守れなかったのでしょうね。
仕方がないのかもしれません。
がんばれ!店員さん
彼女はいつも正確なオーダーです。言っていることもまっとうです。
ときおりとんちんかんな発言がありますが、ようく観察してみると、その発言にはちゃんと理由があることが分かります。理由が分かると、むしろ彼女の誠実さに気が付き、はっとします。彼女は、お店に言われたこと、教育を受けたことを忠実に守っているのだなと気づくのです。
その忠実さ、誠実さはとても尊いと思うのです。
陰ながら、応援しています。
お店にもエールを。