Gumma_de_Sharoushiのブログ

群馬で社労士として開業をめざします。→開業しました。

求人票を書く

求人票の添削をしました。

ハローワークの求人票。企業を特定できる情報はぬりつぶしてあります。

求人票(画像の一部を加工してあります)

 

 

ある会社の求人票

 

訳あってある会社の求人票の添削をすることになりました。

 

開業前であるし、その他登録の社労士が社労士と名乗ることもできないので、本当に友人との雑談レベルです。

 

早く正式に、なりわいとしてこういうことができるとよいな^^と思います。

 

さて、この会社ではずっと人出不足が続いています。

 

平均年齢が45歳。年配の方が多い職場です。かろうじて20代の従業員が一人いますが、他の9人はすべてアラフォー、アラフィフという、高齢社会の見本のような会社です。

 

一方、業績は順調でして、コロナ禍でも途絶えることなく受注があります。

 

いまいる従業員の方たちはずっと残業で人員不足をカバーしてきましたが、全員の加齢が進んでおりパワー不足は否めず、ここでようやく経営者が求人を出して、増員をする決断をしました。

 

賃金形態等

この会社の求人票を見て、私がもったいないなと思ったのが、ここです。

賃金形態等が月給となっている

賃金形態等が月給となっている

さらりと書いてありますが、この会社の何がすごいって、完全月給制なのです!

 

普通、中小零細企業ですと日給月給制が多いのですが、この会社の場合、大の月も小の月も定額で基本給を支払っています。

 

欠勤控除もありません。

 

労働者にとっては月額固定の給料はとてもありがたいものです。

 

月々の収入が固定ですから、いろいろなやりくりが楽になります。

 

これが大の月、小の月で変動するとなると、1月は大の月だからたくさんもらえるので、2月に入ってくる給料は多い、でも2月は28日しかないから3月に入ってくる給料は少ない、でも3月は31日まであるから次の給料まではやりくりが大変だぞ!節約しなくちゃ・・・という風に、めんどうになります。

 

そこで、この会社の場合は完全月給制をアピールすればよいと思うのです。

 

厚生労働省が出している求人申し込み書の記載例ですと、この欄は「1.月給」に丸をするしかないので、求人に関する特記事項欄に「大の月も小の月も定額の月給制です」などと記載するとよいと思います。

厚生労働省求人申し込み書記載例の賃金形態の欄

厚生労働省求人申し込み書記載例の賃金形態の欄

厚生労働省求人申し込み書記載例の求人に関する特記事項欄

厚生労働省求人申し込み書記載例の求人に関する特記事項欄

 

なお、この求人票の求人に関する特記事項の欄は、これだけしか書いてありませんでした。

求人に関する特記事項欄

求人に関する特記事項欄

 

この欄は自由に記述できるので、めいっぱい使うとよいです。

 

あまり書いていないのはもったいないと思います。

 

選考結果通知の日数

 

次に、これは直した方がよいと持ったのがこの選考の結果通知欄です。

 

結果通知の欄

結果通知の欄

書類選考に7日、面接後7日かかっています。

 

これですと、採用結果が分かるまで最大で14日間かかることになります。

 

14日間、つまり1か月の半分です。

 

これだと応募者は半月待たされることになりますので、優秀な人であればあるほど採用しにくくなるでしょう。

 

なぜなら、優秀な応募者は、この会社が決定を出すのにもたもたと14日もかかっている間に、10日くらいでさっくりと採用の決定を出す別の会社に応募し、採用されてしまうからです。

 

他社によい人材をもっていかれたくないなら、せめて書類選考の日数をもう少し短くするか、書類選考と面接あわせて全体でも10日以内におさまるような工夫が必要だと思います。

 

求人に関する特記事項

 

この会社の場合、誰かが辞めたため欠員を補充するための求人ではなく、純粋に増益増産が続き、人員増員のための求人です。

 

そこで、そのことをはっきりと求人票に書いた方がよいと思いました。

 

例えばこんな風に。

求人に関する特記事項の修正案

求人に関する特記事項の修正案

決算公告というのは、会社法で定められた、決算を官報に載せることです。株式会社の義務なんですが、たいていの中小企業はやっていないです。

 

官報に掲載するにも3万円くらいだったかな?けっこうな料金をとられますし、そもそも会社の決算書(貸借対照表だけでよいのですが)を大っぴらにすることに抵抗感をもつ経営者の方が多いのです。

 

ところがこの会社の場合、ちゃんと毎年官報に決算公告を出していまして、えらいなと思ったので書いてみました。

 

人員増員の理由が業績好調であるからをなぜアピールするかというと、欠員補充のためと書くと、求職者たちに「この会社は辞める人がでる会社なんだ。ってことはブラックかな??」と思われてしまうからです。

 

よくハローワークに3か月に1回求人票を出している会社があります。ハローワークは掲載期間が3か月間だからです。

 

ハローワークはタダだからと思って、安易にずっと求人を出し続けているというのは、あまり感心しません。

 

なぜなら、そういう会社は、1年中欠員があり、一年中求人票を出している会社という風に思われてしまうからです。

 

1年中欠員がいるということは何か社内に問題があるのでは?と思われてしまう可能性が高いです。

 

実際、ブラックな会社だったら仕方がありませんが^^;

 

なお、ハローワークでは過去に何回求人を出したか、調べることができます。

 

求職者の中にはこの会社がブラックかどうか確かめるために、ハローワークの窓口で「この会社の過去の求人の状況を教えてください」と頼んで情報収集している方もいます。

 

私も求職活動をしていたときは、これはと思った会社については窓口で確認していました。

 

他にもいくつか指摘

 

他にも気の付いたことがありましたので、いくつか指摘しました。

 

時間外労働について、公開範囲について、年齢についてなどです。

 

この会社の特定につながるのでここには載せることができませんが、やってみて思ったのが、楽しいな!ということです。

 

つくづく私にはこういう仕事があっていると思います。

 

早く開業したいと思います。